開発のヒント

開発用ツール、デバッグ

STM32F401RE Nucleoボードを外部3.3V電源で動かす方法

STM32 Nucleo64ボードを動かすための標準的な電源供給方法は2つあります。ST-LINKのUSBポートから供給する方法と、ArduinoコネクタのVIN端子から供給する方法です。どちらも5V以上の電圧が必要で、3.3Vを直接STM32マイコンに供給する場合には使えません。

外部から直接3.3Vの電源を供給する場合、Arduinoコネクタの+3V3、もしくはMorphoコネクタのVDDに接続しますが、その前に、3つの作業が必要です。(パーツ番号はSTM32F401 Nucleoの回路図の場合です。その他のNucleoボードについては、それぞれの回路図を確認してください。)

1.オンボードの電源回路を切り離す。
オンボードの3.3Vの電源回路は、SB2を取除くと切り離すことができます。VDDに3.3Vの電源をつなぐ場合、電流測定用に設けられているJP6のジャンパ・ピンを外すだけでOKです。

2.STM32マイコンのVDD電圧を監視している分圧抵抗を取り除く。
ST-LINKは、STM32マイコンのVDDピン電圧を監視するため、分圧抵抗(R23とR27)を通して内蔵ADCに接続しています。このため、この分圧抵抗R23を取り除かなければ、外部から供給された3.3V電源の消費電流が増えます。低消費電力モードに移行したのに電流が下がらない場合は、この分圧抵抗を通してGNDに電流が流れてしまっています。

3.オンボードST-LINKを切り離す。
この場合、オンボードのST-LINKには電源が供給されないので、デバッグ・ポート(CN2のジャンパ・ピンを外す)、ST-LINKのVCOMとしてつながっているUSARTのTXとRXピン(SB13とSB14を取除く)、NRSTピン(SB12を取除く)を切り離す必要があります。切り離さずに使うと、これらのピンを通して電流が流れてしまい、最悪の場合ST-LINKとともにデバイスを壊してしまう可能性があります。

過去の開発のヒントはこちら