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STM32U3の新機能HSPとは?信号処理とエッジAIを低消費電力で高速化
STM32U3B5/C5シリーズには、新たにHSP(Hardware Signal Processor)が搭載されました。HSPは、信号処理やAI演算を高速かつ低消費電力で実行するSTM32マイコンに搭載したハードウェア・アクセラレータです。
従来、マイコンで振動監視や加速度モニタリングなどの高度なセンシングや制御ループを実現するには、高速フーリエ変換をはじめとする膨大な信号処理演算が必要でした。これらをCPU単体で処理すると、計算時間や消費電力の負荷が増加します。一方、外付けDSPを追加すると、コストやBOMが増加するという課題があります。さらに、DSPのプログラミングは非常に複雑で開発工数がかかり、コードの移植性が低くなる点も課題でした。
新機能のHSPは、外付けDSPや複雑な初期設定を必要とせず、HAL(ハードウェア抽象化レイヤー)などのシンプルなAPI呼び出しのみで、各種信号処理やAI演算を大幅に加速します。STM32U3シリーズに加え、今後発売されるSTM32マイコンにも順次搭載される予定です。
HSPの主な機能と特徴
1. 高い演算性能と優れた電力効率
従来のCortex-M33と比較して、FFT処理などで最大13倍の性能を、ベクトル拡張機能(Helium)を備えたCortex-M55と比較しても約3倍の処理性能を実現します。また、STM32U5と比較して9倍の電力効率を達成しており、環境光などのわずかなエネルギー源のみで人物検出AIアルゴリズムを動作させることが可能です。
2. エッジAI・ニューラルネットワークの加速
デジタル信号処理に加えて、キーワード検出や画像分類などの畳み込みニューラルネットワーク・アルゴリズム(CNN)の加速にも対応しています。
3. 開発の容易性と高い互換性
外付けDSPのような複雑な設計は不要で、HALやミドルウェアを介して容易に利用できます。さらに、Arm®のCMSIS-DSP互換APIをサポートしているため既存のコード資産を活かした柔軟な開発と高い移植性を確保できます。
参考資料
UM3360: HSP processing functions on STM32 MCUs
AN6400: How to use the HSP for executing DSP and CNN operations on STM32 MCUs
HSP: The new hardware accelerator that transforms an ultra-low-power STM32U3 into an AI machine
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