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長寿命の小型スマートBluetooth機器の開発を簡略化するワイヤレスSoCおよびモジュールを発表

・新しいワイヤレスSoCおよび評価ボードと組み合わせてすぐに使えるワイヤレス・モジュールが 設計の加速 / 簡略化に貢献

2023年11月7日

STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、次世代のスマートな短距離ワイヤレス通信機器の高性能化・小型化・長寿命化を実現する新しいワイヤレスSoC(システム・オン・チップ)「STM32WB09」およびワイヤレス・モジュール「STM32WB1MMC」を発表しました。これらの製品は、最新のBluetooth®規格を採用しているため、さらなるスマート化に貢献し、屋内における位置をセンチメートル精度で計算できるワイヤレス・ビーコンやデバイスの開発を可能にします。さらに、Bluetoothが持つ幅広い有用な機能もすべて搭載されています。

STの最新Bluetoothソリューションにより、設計者は新たなBluetooth規格を短時間で理解し、新製品のアイデアをより迅速に製品化へ進めることができます。急速に変化を続けるワイヤレス製品市場をリードする上では、革新的で便利な機能を備えた新製品を迅速に開発できることがきわめて重要です。

STの新しいワイヤレスSoC「STM32WB09」は、必要な処理能力とBluetooth RF技術のすべてを1チップに集積しているため、設計者はボードに直接実装して他の部品とも接続できます。また、最新のBluetooth 5.3ソフトウェアが付属しており、汎用32bitマイクロコントローラ(マイコン)STM32ファミリ用に開発された広範な開発エコシステムも利用可能です。この開発エコシステムに含まれるPCベースの設計ツールや、基本的なソフトウェア、サンプル・コードは、アプリケーションの開発期間を短縮します。

STM32WB09は経験豊かな設計者に最適で、現在の市場で最小サイズの1つである小型チップ・スケール・パッケージをオプションとして使用できるメリットもあります。

ワイヤレス・モジュール「STM32WB1MMC」は、エンジニアリングのスキルやリソースが十分にないユーザに最適です。同製品には、認証取得済みのワイヤレスSoCと、無線システムに必要な外付け部品が集積されており、Bluetoothソフトウェアも付属しています。そのため、チップを使う設計で直面する技術課題の多くを回避できるとともに、ワイヤレス通信の開発簡略化に貢献します。基本的なRF技術の知識しか持たない開発者でも、プロジェクトのリスク低減と高性能なワイヤレス製品の開発が可能です。これにより、ワイヤレス機能が使いやすくなるため、ユーザは付加価値をもたらすファームウェア開発に専念することができます。

STM32WB1MMCモジュールの利便性をさらに高めるため、STは新しい評価ボード「B-WB1M-WPAN1」も提供しています。すぐに電源を入れて開発を始めることができるターンキー・ソリューションです。このボードには、システムに組み込むことができるモーション・センサや温度センサ、大気圧センサも搭載されています。また、外部アンテナ取付け用コネクタなど、利便性に優れた機能も搭載されています。

テレマティクス・ソリューションの大手Proemion社は、B-WB1M-WPAN1ボードを最初に採用した顧客の1社で、同製品をBluetooth Low Energy(LE)のアプリケーション開発に使用しています。Proemion社の組込みハードウェア開発グループの責任者であるMichael Otterbein氏は、次のようにコメントしています。「B-WB1M-WPAN1開発ボードによって、WB1Mモジュールを使用した開発が簡単になり、Bluetooth LE通信機能を自社製品にシームレスに追加して、次世代の応用機器を顧客に提供できるようになりました。」

ワイヤレスSoC「STM32WB09」、ターンキー・ワイヤレス・モジュール「STM32WB1MMC」、および評価ボード「B-WB1M-WPAN1」は現在量産中で、新規設計にすぐに使用することができます。

技術情報

STM32WB09ワイヤレスSoCについて
• STM32WB09のメモリとペリフェラルは、ワイヤレス・センシング、ウェアラブル機器、遠隔制御などのアプリケーション向けに最適化されています。
• Bluetooth 5.3の先進的な機能に対応し、方向・距離検出機能による高精度の位置検出が可能であるため、リアルタイムの位置検出、屋内の測位、商品探索、アセット・トラッキングなどのアプリケーションを実現できます。
• 倉庫の在庫管理システム、スマート・メータ、使い捨てセンサなどの医療機器、アクセス制御における性能向上およびコスト削減にも貢献します。
• 使いやすいArm® Cortex®-M0+シングル・コア・アーキテクチャを採用しています。このコアがアプリケーションの処理を実行し、STの最新の無線技術がBluetoothのワイヤレス通信を制御します。
• 大容量の内蔵メモリを搭載するとともに、対象アプリケーションにおける最大の差別化要因となる機能を優先して搭載しています。Bluetooth無線の電力制御機能や、ユーザがRF出力パワーを1dBmごとに微調整できる機能をサポートしており、これらが市場における差別化技術となります。この調整機能により、最適なバッテリ寿命とシステムの信頼性が実現し、近くに他のワイヤレス機器があっても問題なく使用できるようになります。

STM32WB09は現在入手可能で、機器メーカーの量産機器に対応します。QFN32パッケージで提供され、単価は約1.36ドルです。

詳細については、ウェブサイトをご覧ください。

STM32WB1MMCモジュールおよびB-WB1M-WPAN1ボードについて
• Flashメモリ(320KB)とRAM(48KB)を集積したSTM32WB15ワイヤレスSoCをベースにしています。
• オール・イン・ワン・モジュールのSTM32WB1MMCは、サプライ・チェーンやリードタイムに関する問題を軽減し、認証取得におけるコストと遅延の回避に貢献します。
• Bluetooth LE 5.4認証と世界各地の無線機器認証を取得済みで、完全なリファレンス設計をLGAパッケージで提供します。
• モジュール全体がSTの自社製造であるため、シンプルな供給および顧客サポート体制を実現しています。また、STの10年間の長期製品供給保証プログラムの対象製品で、長期的な供給が保証されています。
• B-WB1M-WPAN1は、アプリケーション開発において、他のシステム部品と統合するためのBluetooth接続機能を迅速に設計できます。リファレンス設計として使用できるため、ハードウェア設計の負荷軽減に貢献します。
• STM32Cube開発エコシステムを活用することで、STM32CubeMXの計算ツールを使った消費電力のテストや、STM32CubeMonRFソフトウェア・ツールを使ったRFテストを簡単に行うことができます。

B-WB1M-WPAN1は、STのウェブサイトまたは販売代理店から入手可能で、価格は約30.00ドルです。STM32WB1MMCモジュールは現在量産中で、10,000個以上の大量購入時の単価は約5.32ドルです。

詳細については、ウェブサイトをご覧ください。