Press

長距離IoT通信を簡略化するLoRaWAN対応Sub-GHz STM32 SiPモジュールを発表

・ LoRaWAN®およびSigfoxネットワーク接続の認証取得済みで、 遠隔メータ計測、スマート・センシング、スマート・インフラ市場をターゲットにしたモジュール

2024年1月15日

STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、デュアルコアのSTM32WL55JC*ワイヤレスSoC(システム・オン・チップ)をベースとしたプログラム可能な長距離・低消費電力IoT向けSiP(システム・イン・パッケージ)モジュール「STM32WL5MOC」を発表しました。同製品は、LPWANワイヤレス通信の簡略化、高速化、および高効率化を実現するとともに、遠隔メータ、モニタリング、およびスマート・センシング機器の部品コスト削減と開発期間短縮に貢献します。

STM32WL5MOCは、LGA92パッケージ(10 x 10mm)で提供され、SoC、TCXO、バラン、フィルタ、マッチング回路、送受信スイッチなど、システム動作に必要な受動部品が集積されています。これらの部品をモジュールに集積することで、RF設計の期間短縮や、小型化、回路レイアウトの簡略化に貢献し、経験豊富なエンジニアによる複雑なRF設計におけるコスト削減や、認証にかかる時間の削減が可能です。

同製品は、低消費電力できわめて長距離のデータ通信を実現し、システム・バッテリの寿命を10年以上に延長します。864MHz~928MHzの周波数帯で動作するため、世界各地においてライセンス・フリーで使用可能です。また、LoRaWANおよびSigfoxネットワーク接続の認証を取得済みです。このオープンなワイヤレス・サブシステムにより、LoRa®変調、(G)FSK、(G)MSK、BPSKなどさまざまな変調方式をサポートしており、標準プロトコルや独自プロトコル(wM-Bus、Wi-Sun、Miotyなど)との互換性も有しています。RF出力パワーは、米国やアジア地域で許可されている最大22dBm、またはヨーロッパなどの規格に準拠する15dBmから選択できます。

STM32WL55 SoCのデュアルコア・アーキテクチャと、内蔵のFlashメモリ(256KB)およびRAM(64KB)を活用することで、ユーザのアプリケーションに優れたリアルタイム性能を提供します。STM32WL55に搭載された、DSP拡張命令を持つArm® Cortex®-M4コアおよびCortex-M0+は、いずれもセキュリティ強化に向けたメモリ保護を実行します。Cortex-M0+は、鍵管理やセキュア・ファームウェア・インストール / アップデート、セキュアなSub-GHz MACレイヤといったセキュアなサービスも備えています。また、オプションでセキュア・エレメント「STSAFE-A110」を搭載した製品も提供されており、データのエンド・ツー・エンドのセキュリティおよび、ネットワーク・セキュリティのさらなる強化に貢献します。

STM32WL5MOCは、STM32Cube開発エコシステムに完全に統合されており、マイコンの初期化コード自動生成ツール「STM32CubeMX」にも対応しています。また、STM32WL5MOCを搭載したワイヤレス試作開発ボード「B-WL5M-SUBG1」も入手可能で、評価およびソフトウェア統合の簡略化に貢献します。このボードには、調整済みのアンテナが付属しており、すぐに使用することができます。

STM32WL5MOCH6TRモジュールは現在量産中で、10,000個以上購入時の単価は約9.09ドルです。さらなる大量購入時の単価については、STのセールス・オフィスまたは販売代理店までお問い合わせください。試作開発ボード「B-WL5M-SUBG1」の単価は、約52.50ドルです。

* STM32は、STMicroelectronics International NVもしくはEUおよび / またはその他の地域における関連会社の登録商標および / または未登録商標です。STM32は米国特許商標庁に登録されています。