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高分解能・小型・低消費電力のグローバル・シャッター機能搭載イメージ・センサを発表

・AR / VR、産業 / コンスーマ向けロボット、ドローン、バーコード、生体認証 / ジェスチャ認識、 組込みビジョン / シーン認識など、幅広いアプリケーションに最適

2023年12月7日

多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、スマート・コンピュータ・ビジョンの性能向上に貢献する最新のグローバル・シャッター機能搭載イメージ・センサ「VD55G1」を発表しました。同製品は、グローバル・シャッター機能(1)により、被写体が動いている場合や近赤外照明下において、歪みのない画像の撮影が可能です。

STのエグゼクティブ・バイスプレジデント 兼 イメージング・サブグループ ジェネラル・マネージャであるAlexandre Balmefrezolは、次のようにコメントしています。「STの新しいグローバル・シャッター機能搭載イメージ・センサは、超小型ダイで優れた解像度を実現しているため、スマート・グラスやAR / VRヘッドセット、コンスーマ向けロボットや産業用ロボット、スマート・ホーム機器などに最適です。幅広いアプリケーションに対し、適正なコストで高性能、小型、超低消費電力を提供します。」

VD55G1は、小型(2.7 x 2.2mm)で、800 x 700ピクセルの解像度を備えています。低消費電力のため、バッテリの小型化に貢献するとともに、優れたイメージング性能によって、高コントラストできわめて鮮明な画像を得ることができます。また、画素イベント発生画像をストリーミングできるため、アイ・トラッキングや動作検出といったユース・ケースに最適です。

VD55G1には、原画の背景除去といった革新的な新機能も搭載されており、ホスト・プロセッサによる後処理の負荷軽減が可能です。また、1mWの常時オン自律モードは、ホストがオフのときにも認識機能を継続できるため、消費電力の削減に貢献します。このモードは、動作や被写体の変化を検出するとシステムをウェイクアップします。

VD55G1は現在サンプル出荷中で、2024年3月に量産が開始される予定です。

また、STのパートナー企業から、VD55G1を搭載したパッケージやモジュールが様々なユース・ケースおよび市場向けに提供されます。

詳細については、ウェブサイトをご覧ください。

技術情報
STのセンサ製品ポートフォリオを拡充するグローバル・シャッター機能搭載イメージ・センサ「VD55G1」は、ST独自の先進的なプロセス技術により、最小クラスのピクセル・サイズ(2.16µm)で高感度および低クロストークを実現しています。革新的なシリコン・プロセス技術とピクセル構造により、上部のセンサ・ダイの画素アレイ面積を小さくすると同時に、下部ダイのデジタル処理機能と性能を最大化しています。

STの先進的なピクセル技術では、DTI(Deep Trench Isolation)構造を採用しており、寄生素子による光感度(PLS)を低く押さえ、量子効率(QE)を高め、さらにノイズを下げたアーキテクチャを組み合わせることで最適な性能を実現します。

同製品は、10倍の通信速度を実現するI3Cインタフェースを内蔵するとともに、複数の自動露出モード、高フレーム・レート動作、柔軟性に優れた色調マッピング、複数のコンテキスト・スイッチなど、さまざまな機能を搭載しています。

(1)センサの画素アレイをラインごとに露出するローリング・シャッター技術と異なり、グローバル・シャッター技術では画素アレイの全体を同時に露出します。このアプローチは、被写体が高速で動作するアプリケーションに適しています。