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STマイクロエレクトロニクス、 AIデータセンターとロボティクスでのリアルタイム制御に対応した 先進的なマイコンを発表

・演算処理性能が大幅に向上し、新機能を搭載した、新しいSTM32G5シリーズ・ AIデータセンター向け電源の効率化、ロボティクスにおける高精度なモータ制御を実現・耐量子暗号(PQC)のサポートを含む、堅牢なセキュリティ機能を内蔵

2026年11月4日

*2026年11月4日にジュネーブ(スイス)で発表されたプレスリリースの抄訳です。

多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、新しいミックスド・シグナル・マイクロコントローラ(マイコン)の「STM32G5」シリーズを発表しました。同製品は、データセンターやロボティクス、太陽光・風力発電装置、産業用モータ、商用ドローン向けに、より高効率でインテリジェントかつセキュアな技術の開発を支援し、フィジカルAI革命を支えます。

STマイクロエレクトロニクスの汎用・車載用マイクロコントローラ事業部ジェネラル・マネージャーであるPatrick Aidouneは、次のようにコメントしています。「この次世代のマイコンは、AIデータセンターの急増する電力需要への効率的な対応、より高度なヒューマノイド・ロボットの実現、そして複雑化するモータ制御システムの駆動という課題に応えます。STは、STM32G5シリーズを通じて、フィジカルAIに要求される高い演算処理性能を組み込みシステムで利用しやすい形で提供し、持続可能性、安全性、セキュリティの向上に貢献します。」

Arm® Cortex®-M33コアを搭載したSTM32G5は、従来のSTM32G4シリーズの2倍の演算処理性能を備えています。また、電源システムやモータなどを制御する際の速度と精度を向上させる、新たな周辺機能や強化された周辺機能も搭載しています。2027年には、シングルコア・マイコンで構成されるSTM32G5のポートフォリオが拡充され、さらに高い性能と豊富なペリフェラルを備えたデュアルコア・マイコンが追加される予定です。

Delta Electronics社のPSBGマテリアル部門シニア・コモディティ・バイヤーであるAndy Hsiao氏は、次のようにコメントしています。「デジタル電源は、より良い未来のために革新的でクリーン、かつ電力効率に優れたソリューションを提供するという当社のミッションの中核を成しています。その実現には、複雑化が進むシステムに対応できる制御プラットフォームが欠かせません。STM32G5は、次世代のデジタル電源アプリケーションに要求される高水準の性能と柔軟性を備えています。優れた処理能力、強化されたペリフェラル、そして組み込みセキュリティを兼ね備えた本製品は、当社の設計にとって強力な選択肢となります。要求の厳しいAIおよびEVアプリケーションにおいて、電力損失の低減、省スペース化、そして信頼性の向上に貢献してくれるでしょう。」

Ruiyan Intelligent社の最高経営責任者(CEO)であるPaul Tian氏は、次のようにコメントしています。「ヒューマノイドの器用な動作を実現するには、極めて限られたスペースでいかに力、精度、センシング、そしてリアルタイム制御を組み合わせるかが重要になります。STM32G5は従来品の2倍を超える性能を備えるだけでなく、より多くのペリフェラルに対応し、セキュリティ機能も強化されています。これにより、より多くのモータ制御や、速度と精度が求められる場面での迅速な応答、そしてロボット・ハンドへのセンサ搭載数の増加が可能になります。私たちはSTと協力し、日常生活をより快適なものにするという目標の下、FAから医療研究施設に至るまで、器用なロボット・ハンドの実用化を推進しています。」

デジタル電源およびモータ制御向けの先進的な機能

STM32G5シリーズは、280MHzで動作するArm Cortex-M33コアを内蔵し、強化された高分解能タイマや位置エンコーダ、プログラマブル・ロジック・アレイ、ハードウェア・セキュリティなど、新しい周辺機能や強化された周辺機能を備えています。

特にAIアクセラレータが集中的に導入されている今日のデータセンターでは、電力効率の向上と電力需要の低減が不可欠です。最新のGPUクラスタの高速化と性能強化により、ラックあたりの消費電力は1MWに迫っており、最大規模のデータセンターでは要求されるピーク電力が2030年までに2GWを超える可能性があります。これほどの規模の場合、わずかな効率改善でも、電力損失や冷却負荷の削減につながります。強化された高分解能タイマを活用することで、装置メーカーは高精度なアルゴリズムを実装できます。これにより、サーバの処理負荷に伴う電力需要の変動に応じて電源ユニットを動的に再構成し、効率を最大化することが可能になります。さらに、STM32G5は、高分解能タイマにより、ワイドバンドギャップ半導体(SiC / GaN)を採用した電源の高いスイッチング周波数に対応できます。

ヒューマノイドでは、同時多軸駆動などの複雑なモータ制御が求められます。高いトルクを生成するための大電流の制御や、スムーズで自然な動作を確保するための高速応答性も含まれます。特に手や指のように精密な動作が優先される機構では高精度の制御が必要になり、片手に最大20個のモータが搭載されることもあります。これはフィジカルAIの最も代表的な応用例の1つであり、STM32G5の高度な機能によって、低コストで実用的なヒューマノイドの市場拡大を促進します。

先進的な安全性とセキュリティ

STM32G5には、新しい「PLAy」(プログラマブル・ロジック・アレイ)が搭載されています。これにより、特定の用途に合わせた独自の機能を堅牢で信頼性の高い専用ハードウェアとして実装できるため、外付けの補助ロジック回路を削減できます。

プロビジョニング機能を含む最先端のセキュリティはSTM32G5の付加価値の1つであり、データセンターでの利用に適した大きなメリットでもあります。また、現在および今後のコンプライアンス要件への対応も支援します。STは、Cortex-M33のArm TrustZone® IPと、ST独自の「STM32Trust」の機能を組み合わせています。「STM32Trust」には、セキュア・ブートとセキュア・ファームウェア・アップデートに対応した改ざん不可の「ルート・オブ・トラスト」(STiRoT)が含まれています。さらに、STのPQCライブラリを含む最新のアルゴリズムに対応した先進的な暗号化エンジンや、ソフトウェア保護、機密データ(暗号鍵など)用のセキュア・ストレージ、タンパ検出、サイドチャネル攻撃耐性を備え、ライフサイクル全体にわたるセキュリティ管理もサポートしています。

広範な開発エコシステム

STM32G5では、デジタル電源やモータ制御アプリケーションの開発に特化した専用のエコシステムを活用することができます。ハードウェアやソフトウェア、ドキュメント、トレーニング教材で構成され、開発の加速と製品の市場投入までの期間短縮に貢献します。

STM32G5シリーズは最新世代の開発サポートツール「STM32CubeMX2」の対象となっています。同ツールは新しいワークフローや、作業時間を短縮し即座にフィードバックを得られるライブ・コード・プレビューなどの高度な機能を備えています。さらに、最適化されたGUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース)や、クロックとピン配置を設定するための新機能、オンライン・ドキュメントにより、依存関係の管理やプロジェクトを最新の状態に保つ作業が簡単になります。

STM32G5シリーズでは新しいSTM32Cubeハードウェア抽象化レイヤ(HAL2)も活用できます。このHAL2は、メモリ使用量を大幅に最適化しながら、STM32G5の豊富なハードウェア機能すべてへのアクセスを可能にします。

その他の技術的特徴:

•    Cortex-M33コア(420 DMIPS/1136 CoreMark® @ 280MHz)
•    ハードウェア・アクセラレータの拡充:I/Dキャッシュ、ルーチン・ブースタ
•    PLAy(プログラマブル・ロジック・アレイ)により、カスタム・ハードウェアのオンチップ実装が可能
•    デジタル電源に最適な、機能強化された新しい12チャネル高分解能タイマを初めて搭載
•    モータ制御用タイマ、位置エンコーダ(POSENC)
•    充実した高度なアナログ・ペリフェラル(12bit ADコンバータ、オペアンプ、12bit DAコンバータ、超高速コンパレータなど)
•    LQFP64パッケージのSTM32G5-512KB品を搭載したSTM32 Nucleoボード(NUCLEO-G564RE)
•    モータ制御用開発キット(B-G564E-MC1S)
•    デジタル電源用開発キット(B-G564E-DPOW1)
•    デジタル電源用ライブラリ(X-CUBE-DPOWER)
•    モータ制御用ソフトウェア開発キット(X-CUBE-MCSDK)
•    2種類のLQFPパッケージの提供:高度なミッション・プロファイルの維持のために放熱性を強化した露出パッド付きパッケージを含む(データセンターの電源アプリケーションに最適)

STM32G5は現在量産中で、高性能製品ラインと高分解能タイマ製品ラインにより構成されます。内蔵Flashメモリ容量は64KB~512KB、パッケージ・タイプは小型QFN32~LQFP128から選択可能です。単価は、10,000個購入時に約1.0340ドルです。

詳細については、ウェブサイトをご覧ください。

STM32は、STMicroelectronics International NVもしくはEUおよび / またはその他の地域における関連会社の登録商標および / または未登録商標です。STM32は米国特許商標庁に登録されています。

STマイクロエレクトロニクスについて
STは、約49,000名の従業員を擁し、包括的なサプライ・チェーンと最先端の製造設備を有する世界的な総合半導体メーカーです。約20万社を超えるお客様や数千社のパートナー企業と協力しながら、お客様のビジネス創出や持続可能な社会をサポートする半導体ソリューションの開発ならびにエコシステムの構築に取り組んでいます。STのテクノロジーは、スマート・モビリティ、電力エネルギー管理の効率化、クラウド接続型自律デバイスの普及を可能にします。STは、すべての直接・間接排出(スコープ1および2)、ならびに製品輸送、従業員の出張・通勤による排出(スコープ3の注力分野)におけるカーボンニュートラル達成に向けた取り組みを進めており、2027年末までに再生可能エネルギーの使用率を100%にする計画です。さらに詳しい情報はSTのウェブサイト(http://www.st.com)をご覧ください。