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最高動作温度125℃の製品を含む、高性能32bitマイコンSTM32F4シリーズの新製品を発表

2016年10月5日

STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)
は、高性能32bitマイクロコントローラ(マイコン)であるSTM32F4シリーズのエントリ・レベルとなる新製品を発表しました。新製品には、メモリ容量の増加や機能拡張した製品のほか、同シリーズでは初となる最高125°Cで動作する製品が含まれています。また、これらの機能拡張を反映させた開発ボード「Discovery Kit」を使用することで、設計者は新機能を活かした試作開発を迅速に開始することができます。

新しく加わった、メモリ容量と機能を充実させたSTM32F412および高温での動作が可能なSTM32F410は、コスト効率の良いアクセス・ラインの選択肢を広げます。アクセス・ラインは、ARM® Cortex®-M4(84MHz : STM32F401、100MHz : STM32F410/F411/F412)、内蔵Flashメモリ容量(128KB~1MB)、RAM(最大256KB)を特徴としています。また、STM32F4ファウンデーション・ライン(1) およびアドバンスト・ライン(2) にも簡単に拡張することができます。

STM32F412は、外部メモリへの高性能インタフェースであるデュアルモード・クワッドSPI(クロック周波数100MHz)と、スタティック・メモリ用の外部バスであるフレキシブル・メモリ・コントローラ(FMC)を搭載しており、内蔵Flashメモリ(1MB)と内蔵RAM(256KB)を効率的に拡張できます。また、LCDパラレル・インタフェースは、最高でQVGA(16bit色深度)またはWQVGA(8bit色深度)のディスプレイを制御できます。さらに、真乱数発成器(TRNG)の内蔵で、暗号化などのセキュリティ・アルゴリズムの処理能力が向上しています。その他、アクセス・ラインの最新製品に搭載されたUSB On-The-Go(OTG)は、リンク・パワー・マネージメント(LPM)とデュアル電源レールによって性能が向上しており、レベル・シフタが不要になるため、回路基板の小型化に貢献します。

STは、アクセス・ラインであるSTM32F4シリーズの全製品の動作温度を最大125°Cにする予定で、STM32F410はそのロードマップの第一歩です。アクセス・ラインのその他のマイコン同様、STM32F410およびSTM32F412もダイレクト・メモリ・アクセス(DMA)のBatch Acquisition Mode(BAM)に対応しているため、低消費電力が求められるアプリケーションにおいて、CPUを動作させなくてもデータを取り込むことができます。また、デジタル・フィルタを備えた低消費電力マイクロフォン・インタフェース(4チャネル)により、消費電力とCPU負荷を抑えた効率的な音声認識アルゴリズム処理を実行できます。

STは、高まる顧客ニーズに対応するため、アクセス・ラインを進化させると同時に、STM32F412 Discovery Kit(STM32F412G-DISCO)に新機能を追加しました。新たに搭載された1.54インチのタッチパネル・カラーLCDは、HMIの開発を簡略化します。その他、ステレオ・デジタルMEMSマイクロフォン、I2Sコーデック、各種コネクタ(ヘッドフォン、マイクロフォン、スピーカ)、Arduino™ Uno拡張コネクタを搭載しています。また、144ピンのSTM32F412ZGを搭載した低価格のSTM32 Nucleoボード(NUCLEO-F412ZG)も提供しています。

UQFN48パッケージで提供されるSTM32F412は現在入手可能で、参考サンプル価格は約3.60ドルです。WLCSPパッケージ(85°Cでの動作検証済み)で提供されるSTM32F410も現在入手可能で、参考サンプル価格は約1.71ドルです。Discovery Kitの価格は約25.00ドルで、販売代理店またはSTのウェブサイト(www.st.com/stm32f4)から入手可能です。

(1) 168MHzまたは180MHzの最大動作周波数、最大1MBのFlashメモリを内蔵
(2) 180MHzの最大動作周波数、最大2MBのFlashメモリを内蔵、豊富なグラフィックス機能とインタフェースを搭載