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高性能・低消費電力マイコン STM32L4向けに新しい開発キットを発表

2015年10月8日

STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、量産を開始した32bitマイクロコントローラ(マイコン)であるSTM32L4シリーズ向けに、新しい開発キットを発表しました。この開発キットは、予算に応じて選べるプロトタイピング・ボードと、ミドルウェアであるSTM32Cubeで構成されています。

STM32L4のプロトタイピング・ボードには、あらゆる機能を搭載した評価ボード(STM32L476G-EVAL、価格:289ドル)や、MEMSマイクロフォン、MEMSモーション・センサ、DAコンバータ、LCDパネル(96セグメント)、QSPI Flashメモリ(16MB)を搭載したDiscovery Kit(STM32L476G-DISCO、価格:19.90ドル)があります。ユーザは開発段階に応じて、ハードウェアとソフトウェアを自由かつ容易に微調整することができます。

また、予算に制限のある技術者、学生、ホビー・ユーザも、STM32 Nucleoキット(NUCLEO-L476RG、価格10.32ドル)を使用すれば、性能と消費電力を重視した組込みシステムの開発が可能になります。Nucleoは、Arduino Unoヘッダを搭載しているため、様々な拡張ボードと接続できる他、ST-Linkデバッガ / プログラマが統合されており、個別のデバッグ・プローブが不要で、内蔵Flashメモリのプログラミングをドラッグ・アンド・ドロップで行うことができます。また、Discovery KitとNucleoは、mbedオンライン・ツールに直接アクセスできます。

また、コンフィギュレータと初期コード・ジェネレータであるSTM32CubeMXに加え、ビルトインされた設計ウィザードと消費電力計算機を含む、完全なソフトウェア・スイートのSTM32Cubeが入手可能です。さらに、モデル固有の組込みソフトウェアであるSTM32CubeL4は、ハードウェア抽象化レイヤ(HAL)とサンプル・アプリケーションの他、性能や実行時効率の最大化に役立つ新しいLow-Layer APIを提供します。このAPIは、HALと並行して使用でき、STM32の標準ペリフェラル・ライブラリで開発されたシステムをSTM32Cube環境に簡単に移行できます。

STM32L4マイコンは、DSP機能と浮動小数点ユニットを持つARM® Cortex®-M4プロセッサ(80MHz)を搭載しており、FlexPowerControlを採用したスマート・アーキテクチャ、ダイナミック電圧制御、サブモード・オプションを備えた7種類の電源制御モードなどの機能により、低消費電力を実現してます。中でも、Batch Acquisition Mode(BAM)は、CPUコア電源の切断中でも、ペリフェラルからデータを取得することができます。

STM32L4マイコンは現在量産中です。LQFP64パッケージ品の単価は1000個購入時に約3.40ドルです。各評価ボードは以下ウェブサイトより購入することができます。

STM32L4用評価ボード : www.st.com/stm32l476g-eval
STM32L4用Discovery Kit : www.st.com/stm32l476g-disco
STM32L4用Nucleoボード : www.st.com/nucleo-l476rg