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市場初のARM® Cortex®-M7搭載マイコンであるSTM32F7の量産を開始

・少量多品種市場への普及を加速させる ARM® mbed™ / Arduino互換のSTM32F7用開発キットも同時リリース

2015年7月2日

多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE: STM、以下ST)は、業界で初めて、ARM® Cortex®-M7を搭載したマイクロコントローラ(マイコン)であるSTM32F7の量産を開始したことを発表しました。Cortex-M7は、最新かつ最高性能のCortex-Mコアであり、先進的なコンスーマ・産業・医療・IoT機器に適しています。

STM32F7は、Cortex-M7コアと先進的なペリフェラルを組み合わせたアーキテクチャによってSTM32ファミリ中最高のパフォーマンスを実現しており、機器の性能向上、新機能の追加、バッテリの長寿命化、セキュリティの確保、外付け部品の削減による小型化と低コスト化など、機器設計者に多くのメリットを提供します。また、このアーキテクチャはコードの性能やサイズの最適化に費やす時間を短縮できるため、設計者は最終製品の機能差別化に注力することができます。

STのマイクロコントローラ事業部マーケティング・ディレクターであるDaniel Colonnaは、次の様にコメントしています。「市場初というSTの強みおよび業界をリードするアーキテクチャと機能の統合により、お客様はより競争力のある製品を対象市場に投入することが可能となります。さらに、すぐにご利用いただける STM32F7 Discovery Kitやファームウェアなどの充実した開発環境により、設計期間も短縮できます。」

多様なアプリケーションを可能にするSTM32F7 Discovery Kitは、包括的なファームウェア・ライブラリであるSTM32Cubeが付属する他、ソフトウェア開発ツールのパートナーやARM® mbed™オンライン・コミュニティの 幅広い開発エコシステムによるサポートを利用することができます。オープン・ハードウェアであるこの開発キット(価格 : $49.90)は、タッチパネル・ディスプレイ(WQVGA)、ステレオ・オーディオ、マルチセンサ・サポート、セキュリティおよび高速通信といった機能を搭載した小型ボードで、STM32F7のメリットを体験することができます。また、Arduino Uno通信サポートや幅広いアドオン・ボードの他、個別プローブが不要な統合型デバッガ / プログラマのST-Linkが利用できるなど、拡張性にも優れています。

STM32F7は現在量産中で、LQFP100(14 x 14mm)からLQFP208(28 x 28mm)までの各種パッケージに加え、UFBGA176(10 x 10mm、ピッチ:0.65mm)、TFBGA216(13 x 13mm、ピッチ: 0.8mm)、WLCSP143(5.9 x 4.6mm)も用意しています。STM32F745VE(内蔵Flashメモリ : 512KB、LQFP : 100ピン)の参考サンプル価格は、約6.73ドルです。

技術情報
STM32F7は、Cortex-M4などの既にリリースされているコア性能を上回るCortex-M7の先進性を最大限に引き出しており、高速あるいはマルチチャネルのオーディオ、ビデオ、無線通信、モーション検知、モータ制御を必要とするアプリケーションに向けて、従来製品の約2倍のデジタル信号処理能力を有しています。また、M7コアはCortex-Mコアで初めてオンチップ・キャッシュを採用し、内蔵Flashメモリや外部メモリ(デュアルモードのクアッドSPI等)からの超高速データ転送や高性能の実行処理が可能です。これらのCortex-M7の特徴と、STM32ファミリの優位性(電力効率、500品種以上にわたるピン / ペリフェラル / ソフトウェア互換性、充実した開発エコシステム等)を組み合わせることで、大きなメリットを提供します。

Cortex-M7の採用により、STの先進的なペリフェラルの機能がさらに強化されています。例えば、USB On The Go(OTG)ペリフェラル専用の電源レールが、低電圧動作時(1.8V)でもUSB接続を可能にします。また、多くのペリフェラルが持つデュアル・クロック・ドメインにより、通信ペリフェラルのクロック周波数に影響を与えずにCPU速度を落とせるため、消費電力を最小限に抑えることができます。

これまでにSTが発表したSTM32F745およびSTM32F746/756は、浮動小数点ユニットとデジタル信号処理性能が強化されたCortex-M7を搭載し、最大216MHzで動作します。両製品は、1.8V時に最大6 CoreMark/mWの高い処理効率を実現しています。同時に、すべてのSRAMが省電力モードになるSTOPモード時の標準電流は僅か100µAです。これは、Cortex-M4を搭載するSTM32F469と同等です。このような卓越した電力効率は、先進的な90nmプロセス技術、Flashメモリへのアクセス時間を削減する独自のART Accelerator™、グラフィック・エンジン、速度と消費電力を最適化できる優れた電圧調整機能およびアンダードライブ/オーバードライブにより実現されています。

STM32F745は、Flashメモリ(最大1MB)、RAM(320KB)、各種インタフェース(イーサネット、クアッドSPI、カメラ)、フレキシブル・メモリ・コントローラ(FMC)を搭載しています。STM32F746は、TFT-LCD制御回路の集積により機能を拡張しています。STM32F756は、STM32F746の機能に加え、GCMとCCM、トリプルDES、ハッシュ(MD5、SHA-1、SHA-2)に対応したAES-128/-192/-256用ハードウェア・アクセラレーションを提供する暗号化 / ハッシュ・プロセッサを搭載しています。

STM32F7の開発エコシステムには、STM32F7 Discovery Kit以外に2種類の評価ボード(STM32746G-EVAL2 / STM32756G-EVAL2、価格 : 各560ドル)が含まれています。STM32F7 Discovery Kit(STM32F746G-DISCO)には、開発中いつでもハードウェアおよびソフトウェアを微調整できる柔軟性があるため、コストに関わるリスクを最小限に抑えることができます。また、開発者は、STM32CubeF7ファームウェアの利用に加え、コード互換性のある全てのSTM32F4ソフトウェアを再利用することができます。