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スマート・ビルディング向けの通信ソリューションをLight & Building 2018に出展

・Tapko Technologies社と共同開発したKNX認証取得済みのトランシーバICが、業界最小サイズ(4 x 4mm)を実現 ・STM32マイコンとKNXソフトウェア・スタックの組み合わせにより、包括的なネットワークノード・ソリューションの開発期間を短縮 ・STのKNXトランシーバを早期導入したVimar社がLight & Building 2018でデモを実施

2018年4月12日

多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、
Tapko Technologies社と協力し、ビル・オートメーション向けの主要規格であるKNXの認証を取得した高集積かつ小型の通信ソリューション・デモをLight & Building 2018で実施しました。

Tapko社の展示ブース(ホール9.1、E30)では、ツイステッド・ペア・ケーブルによる接続を用いた完全なKNXトランシーバICであるSTKNXを搭載したTapko社製品のデモを実施しました。電源回路を内蔵しているSTKNXは、非常に小さな実装面積(4 x 4mm)を実現します。また、同製品を使用することで、スマート照明、スイッチ、冷暖房空調設備のコントローラ、アラーム、スマート家電などの機器をツイステッド・ペア・ケーブルで構築されるKNXネットワークへの接続が可能です。

非常に小型であるSTKNXは、STとTapko社が共同開発したKNXソフトウェア・スタックを含む包括的なネットワーク端末ソリューションの一部として、新しいビル・オートメーション製品の開発期間を短縮します。KNXソフトウェア・スタックは、STの32bitマイクロコントローラ・ファミリ「STM32(1)」のすべての製品で動作します。また、開発にすぐ着手できる評価キットEVALKITSTKNXも入手可能です。同キットは、STM32F103RBT6マイコン、カスタム機能拡張用のArduino互換ピンヘッダ、LED調光用サンプル・アプリケーションなど、KNXノードの構築に必要なすべての要素が含まれています。

Light & Building 2018では、自動化システムのイノベータで、STKNXを最初に採用したVimar社(ホール11.1、ブースC72)が、同製品を搭載した先進的な新製品の展示を行いました。

Vimar社のシステムズ・マーケティング・マネージャであるAlessandro Ravagnin氏は、次のようにコメントしています。「当社は、住宅 / ビル・オートメーション・システムに向けた次世代製品の主要部品として、STKNXを活用しています。Light & Building 2018では、当社の新しい製品ラインを世界で初めて展示します。これらの製品は、有線フィールドバス通信において卓越した性能を実現します。Vimarは、スマート・ホームとスマート・ビルディングの重要な要素である快適性、セキュリティ、電力効率を、優れたユーザ体験と美しいデザイン、そして完璧に調和のとれたエコシステムと融合させます。」

STのインダストリアル & パワー・コンバージョン事業部ジェネラル・マネージャであるDomenico Arrigoは、次のようにコメントしています。「当社とTapko社の協力により、高機能でスタイリッシュなビル・オートメーション製品の開発用ソフトウェアおよびハードウェアが実現しました。これにより、住宅とオフィスの利便性とデザイン性を向上させることができます。」

STKNXはVQFNPN24パッケージ(0.5mmピッチ、24ピン)で提供され、現在入手可能です。詳細については、STのセールス・オフィスまたは販売代理店までお問い合わせください。

注記
KNXオープン・フィールドバス仕様は、欧州規格のEN 50090およびEN 13321-1/2、国際規格のISO/IEC 14543-3、中国のGB/T 20965など、ビル・オートメーションの各種規格に広く採用されています。また、KNXは米国のANSI/ASHRAE standard 135においても参照されています。

VQFNPN24パッケージ(4 x 4 x 1mm)で提供されるSTKNXは、KNX TP1-256ツイステッド・ペア通信の認証を取得し、現在入手可能なトランシーバICとしては最小サイズです。他社のトランシーバICと比べて高い集積度を実現しており、水晶発振子なしに動作する設計となっているため、外付け部品が不要で、さらなる省スペース化と設計の簡略化が可能になります。

内蔵のKNXバス・パワー・エクストラクタにより最大30mAの電流を内蔵電圧レギュレータに供給し、外付け部品とSTKNX本体に必要な電源を提供することができます。また、KNX仕様に従ってバス電流のスルー・レートを制限することで、システム効率を向上させることも可能です。内蔵電圧レギュレータには、3.3Vと5Vを選択可能な20mAリニア・レギュレータと、1V~12Vの範囲で出力電圧を調整できる150mAの高効率DC-DC降圧スイッチング・コンバータが搭載されているため、外付け部品の電源として使用することができます。さらに、バスと安全に接続するための回路が搭載されているSTKNXには、バス・パワーの損失を防ぐため、バスのモニタ機能も実装されています。

(1)STM32は、STMicroelectronics International NVもしくはEUおよび/またはその他の地域における関連会社の登録商標および/または未登録商標です。STM32は米国特許商標庁に登録されています