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LoRaWAN®のOTAファームウェア更新サポートをSTM32Cube開発エコシステムに追加

2019年11月6日

STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、STM32*マイクロコントローラ用のLoRaWAN®ソフトウェア拡張パッケージ(I-CUBE-LRWAN)を拡充し、「Over The Airによるファームウェア更新(FUOTA)」の最新仕様に対応したことを発表しました。

FUOTAは、稼働中の機器のアプリケーション層やRFスタックの更新を簡略化するため、LoRa®対応機器は将来的な変更に低コストで対応できるようになります。そのため、IoT機器を接続する長距離かつ低消費電力の無線通信技術であるLoRaの価値はさらに高まります。LoRa Allianceは、FUOTAのサポートおよび標準化のため、タイマ同期に関するApplication Layer Clock Synchronization、複数端末への一斉送信に関するRemote Multicast Setup、およびデータファイル分割に関するFragmented Data Block Transportという3種類のFUOTA LoRaWANアプリケーション仕様(v1)を公開しました。

I-CUBE-LRWANがLoRa Allianceの最新ファームウェア更新仕様をフル・サポートしたことで、STM32L4マイコンを使ったLoRa端末開発では、オープン・ソースの暗号化ライブラリによるセキュア・ブート、ならびにセキュア・ファームウェア更新のソリューション(X-CUBE-SBSFU)をFUOTAとあわせて活用できます。これにより、STM32L4に内蔵されているプログラムのファームウェアを更新することで、新機能の追加や潜在的な問題の修正が可能になるとともに、更新プロセスがセキュアに実行されるため、不正な更新や機密性の高い機器内データへの不正アクセスを防ぐことができます。また、I-CUBE-LRWANには、ハードウェア抽象化レイヤを備えたLoRaWANスタックと、STM32L0STM32L1、およびSTM32L4用のサンプル・アプリケーション・コードが含まれているため、評価の簡略化と開発期間短縮に貢献します。また、LoRaWAN認証テスト用のアプリケーションも含まれています。

STのI-CUBE-LRWANソフトウェアは、P-NUCLEO-LRWAN2およびP-NUCLEO-LRWAN3開発パックに含まれるLoRaノードなど、STM32 Nucleo開発エコシステムのLPWAN開発ボードやセンサ拡張ボードで使用できます。

Actility社やSenet社など、さまざまな企業が提供するネットワーク・サーバとの相互運用性をもち、STM32L4向けにFUOTAをサポートした最新のI-CUBE-LRWAN拡張パッケージは、ウェブサイトから無償でダウンロードできます。

Actility社の最高経営責任者(CEO)であるOlivier Hersent氏は、次のようにコメントしています。「数百万個ものLoRaWAN対応センサ端末が使用されている現在、LoRa®対応機器を10年以上の長期間で継続して動作させる戦略が非常に重要です。ThingPark FUOTAはセンサ端末のライフサイクルを劇的に延ばすことができるため、STのソリューションと完全に相互運用できるサーバを提供できることを嬉しく思います。これによりSTの顧客は、機器を最新のセキュリティおよび機能で運用し続けることができます。」

Senet社の最高技術責任者(CTO)であるDave Kjendal氏は、次のようにコメントしています。「当社が提供する、豊富な機能を備えたグローバルなIoT通信プラットフォームは、STのような市場をリードするテクノロジー企業と協力することで一層強化されます。STがLoRaWAN FUOTAをサポートすることで、さらに効率的で、セキュアかつ信頼性の高い端末の更新が可能になるため、大規模にわたりIoTアプリケーションを導入している当社の顧客に対し、大きな費用対効果をもたらします。」

LoRaWANプロトコルとの相互運用性を有するその他のネットワーク・サーバについても検討される予定です。またSTは、将来に向けたFUOTA技術の性能向上にも積極的に取り組んでいます。

 *STM32は、STMicroelectronics International NVもしくはEUおよび / またはその他の地域における関連会社の登録商標および / または未登録商標です。STM32は米国特許商標庁に登録されています。