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セキュアなIoT機器開発の効率化に向けてMicrosoft社と協力

・STM32U5マイコン搭載 IoT機器開発キットをベースに、Arm® Trusted Firmwareを統合したMicrosoft® Azure IoTクラウド用リファレンス実装を提供・先進的な組込みAzure RTOSおよびIoTミドルウェアと、セキュアな超低消費電力STM32U5マイコンおよびSTSAFE-A110セキュア・エレメントを組み合わせたソリューション

2022年5月11日

多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、急成長を続けるIoTアプリケーションのセキュリティ強化に向け、STの認定パートナー企業であるMicrosoft社と協力することを発表しました。

STは、超低消費電力STM32U5*マイクロコントローラ(マイコン)に、Microsoft Azure RTOS(リアルタイムOS)およびAzure IoTミドルウェアと、組込みシステム向けの認定済みArm® Trusted Firmware-M(TF-M)セキュア・サービスを統合しました。集中的なエンジニアリング・プロジェクトを通じて開発されたTF-MベースのAzure IoTクラウド・リファレンス実装には、STM32U5マイコンの優れたセキュリティ機能とSTSAFE-A110セキュア・エレメントの堅牢なキー・ストアが活用されています。

STのマイクロコントローラ事業部マーケティング・ディレクターであるDaniel Colonnaは、次のようにコメントしています。「IoT機器の開発者は、限られた製品開発期間の中で、きわめて高度なセキュリティ基準を満たす必要性に迫られています。STのソリューションは、セキュリティ、電力効率、および性能を強化することで、迅速な組込み機器開発に貢献します。」

Microsoft社のプラットフォームおよびサービス部門Azureエッジ・デバイス担当バイス・プレジデント 兼 ジェネラル・マネージャであるMoe Tanabian氏は、次のようにコメントしています。「当社とSTとの効果的かつタイムリーな協力により、開発者コミュニティは、信頼性、堅牢性、効率に優れたIoT機器に対する広範な市場要求に対応することができるでしょう。」

Microsoft Azure RTOSは、IoT機器およびエンド・ポイントなど、リソースに制約のあるIoTアプリケーション向けに最適化された包括的なミドルウェア・パッケージを提供します。フットプリントの小さいRTOS「ThreadX」(メモリ管理機能搭載)や、NetX Duo IPv4 / IPv6およびTLSセキュア・ソケット・サポートを含むコネクティビティ・サービスが含まれています。

Arm TF-Mスイートは、セキュア・ブート、セキュア・ストレージ、暗号化、認証を含む信頼性の高いサービスを提供します。Arm Cortex®-Mプロセッサ向けに設計されているため、先進的なCortex-M33コアを搭載したSTM32U5マイコンと簡単に統合可能です。

STM32U5マイコンには、物理攻撃への耐性や、実績あるArm TrustZone®アーキテクチャによるセキュリティが重要となるリソースのアイソレーションなどのセキュリティ機能も含まれています。また、2021年にPSA Certifiedレベル3とSESIP 3認証を取得済みで、暗号化処理効率に対するEEMBC SecureMark®-TLSスコアで133,000を達成しています。

EAL5+認証取得済みのSTSAFE-A110セキュア・エレメントは、認証スキームおよびパーソナライゼーション・サービスを提供し、IoT機器からMicrosoft Azureへのセキュアな自動接続を実現します。これにより、IoT機器メーカーは、製品製造における機密認証情報の保護をより簡単に行うことが可能です。

ディープ・スリープ、ペリフェラル、アクティブそれぞれの電力要求に対し、卓越したULPMark®ベンチマークによって立証されたSTM32U5マイコンの超低消費電力性能は、バッテリ駆動機器の駆動時間を延延長します。

STは、STM32Cube開発エコシステムをベースにしたリファレンス実装を2022年第3四半期にリリースする予定です。STM32Cube開発エコシステムで提供されるさまざまな開発ツールとのシームレスな統合を実現することで、IoT機器設計のさらなる簡略化に貢献します。

* STM32は、STMicroelectronics International NVもしくはEUおよび / またはその他の地域における関連会社の登録商標です。STM32は米国特許商標庁に登録されています。