開発のヒント

周辺機能、I/O、メモリ

STM32WL3で流量を測定する

STM32WL3xシリーズにはDAC、そのリファレンス電源出力、およびコンパレータが内蔵されています。これらを連携させ、外部に接続したLC共振回路を用いて液体流量を測定する機能が、LCSC(LC Sensor Controller)です。
LCSCを有効にすると、これらのペリフェラルはLCSC専用デバイスとして動作します。外部に接続したLC並列回路の共振現象の減衰時間を計測することで、液体の流れる量と向きを検出できます。
具体的には、流路に設置された水車によって回る回転体の金属部と非金属部の位置によって変化するLC共振回路の減衰時間を計測することで、回転体の位置と回転の向きを検出し、流量と向きを測定します。

それでは、具体的に見ていきましょう。

図1は、STM32WL3の外部に接続するLC共振回路と、STM32WL3に内蔵しているLCSCペリフェラルの簡略図です。

148-1
図1:外部LC共振回路とLCSC

DACによって作られたVBAT/2の電圧は、VCMBUFのON/OFF回路を通してLC共振回路に接続されています。
LC共振回路の他方は、STM32WL3のGPIOに接続されています。LCSCはタイミングをコントロールし、いずれか一つの回路を内蔵コンパレータに接続します。
また、LCSCがGPIOとVCMBUFのON/OFFのタイミングをコントロールすることにより、LC共振回路を発振させます。

図2は、回転体の位置とLC共振減衰時間の違いを示しています。

148-2
図2:回転体の位置とLC共振減衰時間の違い

回転体の水色部分は金属部で、青色は非金属部を示します。それぞれLC共振回路は回転体の下半分側に取り付けられています。非金属部に近いLC共振回路では減衰時間は長く、金属部に近いLC共振回路では短くなります。
この減衰時間の変化を測定することにより、回転体の4つの位置と回転の向きを検出できます。

LCSCには、回転体とLC共振回路との距離や位置、回転体の金属の特性、測定周期などを調整するためのレジスタが用意されています。それらのレジスタの設定をチューニングすることで、流量と向きを正確に測定することが可能です。
また、超低消費電力モード時に自律的に計測し、一定の流量を越えた場合にSTM32WL3をウェイクアップさせるなどの使い方もできます。

詳細については、STM32WL3のリファレンス マニュアルと、以下のアプリケーション ノートをご確認ください
RM0511:STM32WL33xx Arm®-based wireless MCUs with sub-GHz radio solution
AN6261:How to use LCSC for flow metering on STM32WL3xxx MCUs

過去の開発のヒントはこちら