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IoT機器の進化を加速させるSTM32マイコンの超高性能バリュー・ラインを発表

2018年8月17日

STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、32bitマイクロコントローラ(マイコン)のSTM32*ファミリに、STM32F7バリュー・ライン(STM32F730 / F750)およびSTM32H7バリュー・ライン(STM32H750)を追加しました。両製品ラインとも、多様なペリフェラルやセキュリティ保護機能に対応しており、優れた性能とコスト・パフォーマンスの両立が求められるシステムに高い柔軟性を提供します。

新しいSTM32F7 / H7バリュー・ラインは、内蔵Flashメモリ容量を必要最小限に抑えながら、セキュア・ブート、機密性の高いコード、リアルタイム・ルーチンを内蔵メモリから安全に動作させることができます。これにより、外付けFlashメモリと比較して、25倍以上の高速アクセスが可能になります(データがキャッシュにヒットしない場合と比較)。また、シリアルまたはパラレルの外部メモリ・インタフェース(最大32bit)により、メモリを拡張することもできます。Flashメモリ(最大2MB)、RAM(1MB)を内蔵するその他のSTM32F7 / H7マイコンとピン配置互換性があるため、ハードウェアのプラットフォーム構築が可能です。

STM32F7 / H7バリュー・ラインは、STM32F7 / H7マイコンの先進的なペリフェラル、ハードウェア・アクセラレータ、超高速の内部バスを備えたリアルタイム・アーキテクチャ、短時間の割込み遅延、高速ブート(約1ms)などの機能を搭載しています。また、柔軟性の高いパワー・モードによる優れた電力効率、複数の電源ドメイン、および電源制御機能の内蔵により、設計の簡略化と部品コストの低減を可能にします。

セキュアで電力効率に優れたアーキテクチャと、最大2020のCoreMark®(1) という処理性能を備えた新しいバリュー・ラインは、産業機器やコンスーマ機器への革新的なIoT技術の導入に最適です。また、最大ジャンクション温度が125°Cのため、周囲の温度が上昇した場合でも、性能を最大限活用することができます。

エントリ・レベルのSTM32F730は、ゼロ・ウェイトFlashアクセスを実現するART Accelerator™により、216MHz動作時に1082というCoreMarkを実現します。また、暗号化用ハードウェア・アクセラレータ、ハイスピードUSB 2.0 PHY内蔵、CANインタフェースなどの機能を搭載しています。さらに、Flashメモリ(64KB)、高速な実行処理を実現する命令キャッシュ(8KB) / データ・キャッシュ(8KB)、システムRAM(256KB)、高クリティカル・ルーチン処理用メモリTCM(Tightly Coupled Memory、16KB+64KB)を内蔵しています。

STM32F750は、グラフィック・アクセラレータChrom-ART™と、TFT-LCDコントローラを備えています。また、ハッシュ・アルゴリズム用ハードウェア・アクセラレータ、CANインタフェース(2チャネル)、イーサネットMAC、カメラ・インタフェース、フルスピードUSB 2.0 PHY内蔵インタフェース(2チャネル)を搭載しています。メモリは、Flashメモリ(64KB)、命令キャッシュ(4KB)、データ・キャッシュ(4KB)、システムRAM(320KB)、TCM(16KB+64KB)を内蔵しています。

ハイエンドのSTM32H750は、400MHzで2020のCoreMark性能を実現しており、ハードウェアJPEGエンコーダ / デコーダとTFTコントローラに加えて、高度なGUI性能を実現するChrom-ARTアクセラレータを備えています。また、タイムトリガ機能対応CANFDポート(2チャネル)、クラス最高のゲイン帯域幅を持つオペアンプ、最大3.6Mサンプリング/秒で動作する16bit ADコンバータを搭載しています。Flashメモリ(128KB)、命令キャッシュ(16KB) / データ・キャッシュ(16KB)、システムRAM(864KB)、およびTCM(64KB+128KB)には、すべてECC(エラー訂正)が搭載されており、内部メモリまたは外部メモリから安全に実行することができます。

STM32F730、STM32F750およびSTM32H750バリュー・ラインは現在量産中で、各種パッケージ・オプション(LQFP/BGAパッケージ、64ピン~240ピン)で提供されています。単価は、大量購入時に、STM32F730が約1.64ドル、STM32F750が約2.39ドル、STM32H750が約2.69ドルです。

詳細については、販売代理店までお問合せいただくか、https://www.stmcu.jp/stm32/stm32f7x0/ または https://www.stmcu.jp/stm32/stm32h750/をご覧ください。

*STM32は、STMicroelectronics International NVもしくはEUおよび/またはその他の地域における関連会社の登録商標および/または未登録商標です。STM32は米国特許商標庁に登録されています。

(1)CoreMark:組込みCPUの性能を評価するEEMBCの標準ベンチマークです。