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大規模LPWAN通信対応システムの開発を加速させる低コストのLoRa®開発パックを発表

2019年10月17日

STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、長距離・低消費電力のIoT無線通信であるLoRa®に対応するシステム用の2種類の開発パックを発表しました。トラッキング装置、測位機器、計測機など、さまざまな機器の開発が可能で、大企業や中小企業から個人設計者、ホビー・ユーザ、学生まで、あらゆるユーザが活用できます。参考価格はいずれも約99ドルです。

利便性に優れたSTのSTM32* Nucleo開発ボードを活用する両開発パックには、ゲートウェイ用ボード、端末用ボード、ファームウェア、ツールなどが含まれており、LoRaWAN®対応システムの開発を包括的にサポートします。それぞれ868MHz/915MHz/923MHzとsub-550MHzのISMバンド向けに提供され、いずれもSTのゲートウェイ用ソフトウェアとI-CUBE-LRWAN端末用ソフトウェアによりサポートされます。端末用ボードとゲートウェイ用ボードには、アンテナとオンボード・デバッガが付属しています。

両開発パックとも、STM32F746ZGT6マイコン搭載のSTM32 Nucleo-144開発ボード「NUCLEO-F746ZG」をベースに構成されたLoRaゲートウェイを同梱しているため、市販のゲートウェイと比べてデバイス・ピンを利用した開発が簡単です。ゲートウェイは一般的なパケット・フォワーダとして機能し、開発ノードから送信されるデータをLoRaWANネットワーク・サーバに転送できます。STは、LoRaWANネットワーク・サーバのプロバイダであるLORIOT社Actility社、およびThe Things Network社と契約を結んでおり、ユーザは自身のゲートウェイをネットワーク・サーバの基本機能に無料で接続できます。また、myDevices社のCayenne for LoRa IoT開発ダッシュボードを活用し、センサ・データの可視化や機器の制御が可能です。

ノードは、超低消費電力マイコンSTM32L073RZT6を搭載したSTM32 Nucleo-64開発ボード「NUCLEO-L073RZ」をベースとしており、バッテリ・ソケットを備えているため携帯性に優れています。また、両パックともにATコマンド・スタックを作動する、超低消費電力のSTM32内蔵モジュールを搭載したLoRaノード拡張ボード、各種のモーション・センサおよび環境センサが搭載されています。

P-NUCLEO-LRWAN2パックは、高周波数(868MHz/915MHz/923MHz)のISMバンド向け製品で、USI社が設計したI-NUCLEO-LRWAN1ノード拡張ボードを同梱しています。I-NUCLEO-LRWAN1は、STM32L0ベースのモジュールと、電子コンパス(LSM303AGR : 加速度センサおよび地磁気センサ)、大気圧センサ(LPS22HB)、温湿度センサ(HTS221)などの各種センサを組み合わせています。P-NUCLEO-LRWAN3パックは、低周波数(433/470MHz)のISMバンド向けの製品で、RisingHF社のSTM32L0ベースのモジュールであるRHF0M003と、加速度センサ(LSM6DS33D)、大気圧センサ(LPS22HB)、温湿度センサ(HTS221)などの各種センサを搭載するノード拡張ボードが付属しています。

P-NUCLEO-LRWAN2およびP-NUCLEO-LRWAN3は現在入手可能です。また、LoRaWANのプロトコル・スタック、Keil MDK-ARMといった無料の統合開発環境(IDE)、およびマイコンの初期化・設定ツールであるSTM32CubeMXを含む包括的なソフトウェア・ツールセットなど、実績あるSTM32の開発エコシステムも利用することができます。

詳細については、ウェブサイトをご覧ください。

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* STM32は、STMicroelectronics International NVもしくはEUおよび / またはその他の地域における関連会社の登録商標および / または未登録商標です。STM32は米国特許商標庁に登録されています。